こんにちは、ユウスケです。
監視社会という言葉が身近になり、市民権を得てきたとも思われる今日このごろ。
そんな監視社会に突入する過程を描いた『ザ・サークル』という映画が公開されました。
見た感じポップな内容なのかと思いきや、結構シリアスで怖い作品となっております……。
社会がディストピアに至るまでの物語『ザ・サークル』
ディストピア社会を描いた作品は数あれど、ディストピアに至るまでの経緯を描いたものは少ないと思います。
エマ・ワトソン主演『ザ・サークル』は、そのテーマを取り扱った稀有な作品です。
簡単なあらすじから最後までの流れを紹介します(ネタバレが嫌な人はブラウザバック!)。
SNS『トゥルーユー』を抱える大企業サークル社のに入社したメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は、とあることをきっかけに自身のプライベート全てを透明化する新プロジェクト被験者に抜擢されます。
そんな中で人気者のインフルエンサーとなったメイでしたが、その活躍と比例するように自分の人間関係は崩れていき、プロジェクトのせいで大切だった男友達を亡くしてしまうことに。
一度は会社から離れるメイでしたが、それからもメイはプロジェクトに戻り活動を続けます。
何か思うところがあったメイは最後、サークル社の理念に則り会社のトップ二人のプライベートを全て公開することを独断で決め発表します。
そして社会がSNS『トゥルーユー』を中心にプライベートが悪とされ、全ての人の全てのプライベートが公開される社会へと変わった暗示を描き幕を閉じます……。
結末については賛否ありますが、なんとも後味の悪い終わり方です……。
そもそも『トゥルーユー』には人間味がなくて怖いと感じる社員も登場しました。人間味がないというのは感情がないというわけではなくて、その逆に感情を表に出さないとダメだと強制させられるような怖さです。日頃から活発に行動していなければならないという強迫観念を押し付けられる恐怖です。
同じくディストピア社会になる過程を描いた『ハーモニー』という小説では、逆に最終的に人間の感情を意図的に抑え込むことによって『人間』がいなくなりディストピアが完成するという内容でした。
『ザ・サークル』では最後、感情のある人間のまま相互監視が行われる世界になっているため、『ハーモニー』の結末よりも見方次第では残酷なのではないかと思いましたね。
どちらの作品も結末は悲劇的なものであり、ディストピア社会が訪れた時点でそれは破滅だということを感じさせてくれます。
SNSと適切な距離感を取ろう
この映画を観て、私はオリバー・ストーン監督のノンフィクション映画『スノーデン』を観たときと同じような戦慄を覚えました……。
SNSとは私たちに身近なサービスであり、使用していない人はあまりいないような現代。
そんな当たり前に存在するSNSも誤った進歩を遂げてしまうと恐怖の監視社会が訪れてしまうというわけです。
やりすぎ都市伝説でお馴染み関暁夫さんも言うように、SNSには余計なことを書いたりしない方がいいかもしれませんよ?
まとめ
『1984』しかり『未来世紀ブラジル』しかり、そして今回の『ザ・サークル』しかり、ディストピア映画は観るの嫌になります……(笑)でも観ちゃうんんだなー。
ディストピア作品は基本怖かったり後味悪いものが多いので、苦手な人は避けてくださいね。かなり嫌な気持ちになることも多いですから。
個人的な話ですが、TSUTAYAでこの『ザ・サークル』のDVDと同時に借りたのが『スイス・アーミー・マン』でした。
奇しくもどちらともがエマ・ワトソンとダニエル・ラドクリフというハリーポッターシリーズの主役が登場する作品だったんですよねw
『スイス・アーミー・マン』も面白いのでおすすめですよ。
エマ・ワトソンの『ザ・サークル』は人気者に自由がなくなる作品であり、ダニエル・ラドクリフの『スイス・アーミー・マン』は嫌われ者の死体が自由を手にするという作品。
内容が真逆であることも何かの縁かなとも感じましたね。
以上、ユウスケがお送りしました。